The hound of the books & movies (Japanese English)

9. Katakana words

カタカナは図形的な形をしているので、モノの形とともに覚えるのもありだ。

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単語とともにカタカナを覚えられるので、一石二鳥である。

特にお気に入りは「」だ。

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カタカナがあるおかげで、日本語では外来語が「カタカナ語」として定着しやすい。

今回はここに目をつけた本を2冊紹介する。

The hound of the books & movies (Japanese English)


カタカナ語には「個性」がある。

たとえば、元となる英単語が日本式に「改造」されることが多い。
それゆえ、「和製英語」とよばれることもある。

『恥ずかしい和製英語』から一例あげる。

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サッカーの「リフティング」がサッカーの母国では通じないのも意外であるが、リフティングのことを英語では keepy-uppyというかわいらしい言い方をするのも意外だ。

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言語的に面白いのは、liftは「手を使う」のに「リフティング」は「手以外を使う」ことだ。

このような「カタカナ語と元の英単語との違いがどうして起こるのか」を探るのは面白いテーマである。

一方で、カタカナ語が元の英単語と同じ意味を表す場合もある。

『カタカナで覚える超効率英単語』から例をあげる。

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この場合、日本語にも同じ意味を表す単語がすでにあるのに、わざわざカタカナ語を「輸入」しているのが面白い。

なぜ、同じ意味を表す外来語をわざわざカタカナ語として取り入れるのだろうか?

“I have no special gift. I am only passionately curious.” (Einstein)
(わたしには、特殊な才能はありません。ただ、熱狂的な好奇心があるだけです -アインシュタイン (物理学者)-)

この疑問の答えの1つとして、カタカナ語だと「重たさ」がなくなることがあげられる。

たとえば、「さようなら」というと「もう会えない」という感じが出るが、
「バイバイ」というと See you!くらいの「軽い」感じになる。

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同様に、上に挙げた例でも、「尊敬している」というのは「ガチ」な感じになるが、
「リスペクト」しているというと「重たさ」がなくなり、いい意味で気楽に言える。

ということで、今回の仮説はこれ ↓ だ。

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ほかにも、このような例がある。

The hound of the books & movies (Japanese English)

たとえば、「無視する」というのはかなり「キツイ」表現であるが、「スルーする」というと「軽く」なる。

なお、上の図にあるように、「アバウトな性格」という意味ではaboutは使わないが、aboutがもつ「おおよそ」という意味をうまく使っている。
同様に、「無視する」という意味でthroughは使わないが、throughがもつ「通り抜けて」という意味をうまく使っている。

日本人は前置詞が苦手であるが、カタカナ語では前置詞の意味をうまく取り入れていることがわかる。

カタカナ語から英語を捉えるのも面白い。


(to be continued)


****補足:「カタカナ語に関する研究テーマ」 ****

日本語と同じ意味を表すカタカナ語に関しては、以下のような世論調査がある。

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ここで面白いのは、カタカナ語が使われる割合が語によって異なるという点だ。

たとえば、①では「ワイン」の方が「ぶどう酒」よりも使われるが、③では「台所」の方が「キッチン」よりも使われる。
このような使用上の違いはなぜ起こるのかを追求するのも面白いテーマである。

また、カタカナ語と元の英単語がもつ「イメージ」の違いも面白い。

The hound of the books & movies (Japanese English)


「ポカリスエット」の「スエット」はsweat (汗)からきているため、英語母語者からすると、「汗」に関係する飲み物なんて嫌だというネガティブなイメージを持つらしい。

このような英単語とカタカナ語がもつイメージを比較してみるのも面白いテーマである。

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コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

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誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

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