「こんなものにまで名前があるの!?」
そう思わせてくれるのが、この ↓ 本である。



ちなみに、肘をぶつけるとビリビリすることがあるが、その名前(呼び方)を知ってるだろうか?



答えは「ファニーボーン」である。



しかし、この名前を知っているかどうかは重要ではない。

ここでのポイントは、どう呼ぶかは「自由である」ということである。

実際、上の解説にもあるように、「クレイジーボーン (crazy bone)」と呼ぶ人もいる。
また、このような呼び名を知らない場合、著者のみうらじゅんさんのように「ビリビリ」と呼んでもいいのである。

ましてや、地域によってモノの名前(呼び方)が違う場合があっても不思議ではない。

今回は、イギリス英語 (BE: British English) アメリカ英語 (AE: America English) についてみていく。


10. BE vs. AE

イギリス英語とアメリカ英語はどのように違うのだろうか?

具体的には次のような違いがある。
(『英語史で解きほぐす英語の誤解』堀田隆一 著 より)




中でも、つづりと単語の違いは多い

以下にいくつか例をあげる。(『英語 きのう・今日・明日』ディヴィッド・クリスタル 著 より)

1.つづりの違い



2.単語の意味の違い



3.単語の違い



最近では、多くのアメリカ英語がイギリスでも使われているようであるが、両者の違いは依然としてある。



ちなみに、私のいる通称N館の自称ベーカーストリートにいるアメリカ人のダルトン夫人は「イギリス英語は思っていた以上にアメリカ英語と違う」と言っている。
(ダルトン夫人についてはThe adventures of Sukelock Holmes (E.Grammar T-D2 )を参照)

実際の例をロアルド・ダールの『チャーリーとチョコレート工場(原題:Charlie and the Chocolate Factory)』から見てみよう。

この本にはイギリス版とアメリカ版がある。



そして、イギリス版とアメリカ版では単語やつづりが違っている

たとえば、チャーリーが道でお金を拾ってチョコを買いに行くシーンがある。



この場面の原文はそれぞれ次のようになっている。







同じ物語なのに、イギリスとアメリカで違う英単語やつづりが使われているのは面白い。

なお、アメリカ英語には方言が少ないという特徴がある



あれだけ広大な土地があるのに方言が少ないというのは面白い。
アメリカ英語はイギリス英語にくらべて歴史が浅いため、多様な地域さが生じていないのかもしれない。

しかも、今はネットで標準英語が普及しているため、方言というのは少なくなる可能性もあるだろう。

言葉の地域差というのは面白いテーマである。さらに考察していこう。


≪補足:方言とイメージ≫

日本にはたくさんの方言があるが、方言にはイメージがともなう。

たとえば、「関西弁(大阪弁)」には「おもしろい」「明るい」といったイメージがあり、
このイメージはマンガのキャラ設定にも使われている。



なお、全国の方言イメージ調査では以下のような結果が出ている。
(『方言学入門』木部暢子・竹田晃子ほか 著 より)



ちなみに、カーペンターズの関西弁バージョンも出ている。



実際に聞いてみたい人はこちら ↓

https://www.youtube.com/watch?v=tKPPgILuMww&t=5s

みなさんは、どのような印象を受けるだろうか?



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スケロック・ホームズ
スケロック・ホームズ
コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

The only promise a puzzle makes is an answer.

誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

There's nothing more hazardous to my health than boredom.