<新年特別編>

信キャンパスストリートには相変わらず人がほとんどいないが、
シンボルの大きな木(通称「この木何の木」)は健在である。




今回は、「お年玉」特別企画として、英語以外の言語の「空耳」をプレゼントする。


21. Gipsy Kings (Bem, Bem, Maria)

第1回空耳アワード(1993年)に選ばれたのは、ジプシー・キングスの「ベン、ベン、マリア (Bem, Bem, Maria)」である。



この歌はスペイン語である。
空耳の初代チャンピオンは英語ではなかったのである。

言語はそれぞれ独特の「リズム」をもつが、大きく3つに分けられる。
(『語形成と音韻構造』 窪園晴夫 著より)



① イントネーション (intonation) 言語: [ 強弱リズム ] 

英語に代表される「イントネーション言語」では、音に強弱がつけられる

例えば、英語では強勢(ストレス)が置かれる場所が違うと品詞が変わる
(『日本語アクセント入門』 森松晶子ほか 著より)



このイントネーション言語の大きな特徴は母音が変わってしまうことである。
これは、強く発音されない母音は弱々しい音になるからだ。



「この弱く発音される母音」は発音記号では「ə」で表される。
このeをさかさまにした記号は「シュワ (schwa)音」とよばれる。
(シュワ音についてはThe valley of ear (ch. 6)を参照)


② ピッチ (pitch) 言語: [ 高低リズム ] 

日本語に代表される「ピッチ言語」では、音に高低をつけ単語を区別する。
たとえば、「箸」と「橋」では発音が違う



ちなみに、ピッチは方言で異なることもある
たとえば、大阪の「雨」の発音は東京では「飴」になる。



(方言についての詳細はこちら ↓)

https://kotobaken.jp/events/news-200820-01/


③ 声調 (トーン:tone) 言語: [ 曲線リズム ] 

中国語に代表される「声調(トーン)言語」では、音の波長で単語を区別する。
このような音の波長は「ピッチ曲線」とよばれるが、中国には4つのパターンがある

たとえば、「マ」はピッチ曲線の違いにより4つの意味をもつ



ちなみに、この4つのパターンは「四声」といわれる。



以上みてきた3つの分類はあくまで「大きな分け方」であり、常にきっちり3つに分けられるわけではない

たとえば、スペイン語は基本的に英語と同じく強弱リズムをもつが、日本語に近いリズムを見せる場合もある

今回は、英語以外の言語の空耳作品をお年玉としてお届けする。

実際の映像はこちら ↓

https://drive.google.com/file/d/1szdQhePeRc0lOM09BWh5_-W8m4gwgKAZ/view?usp=sharing

ちなみに、映像には以下の空耳が入っている



英語よりも日本語っぽく聞こえる場合もあり、おもしろい。
音のリズム(や特徴)が日本語に近いのだろう。


≪補足映像資料≫

1.中国語の四声についての資料。是非、ネイティブの発音を聞いてみてほしい。




(to be continued)

**** <補足コメント> ****

お正月といえばお笑いである。

お笑いの中には言語のリズムを笑いにしているものも多い。
タモリさんの「4か国語麻雀」などはよく言語のリズムの違いを捉えている。



個人的には、韓国語のリズムを用いたこの ↓ ネタが好きである。



この ↑ ネタの映像は上で紹介したサイトで見れるので、ぜひ、見てほしい。


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プロフィール
スケロック・ホームズ
スケロック・ホームズ
コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

The only promise a puzzle makes is an answer.

誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

There's nothing more hazardous to my health than boredom.