The adventures of Sukelock Holmes (complete CGEL)

13. Coordination

東京オリンピックが終わった。

無観客であったが、逆に選手たちの真剣勝負がより伝わってきて、迫力があった。

個人的にはフクヒロペアの激闘が見れてよかった。

The adventures of Sukelock Holmes (complete CGEL)

勝った中国ペアがフクヒロペアに歩み寄り、お互いの健闘を称える姿もグッとくるものがあった。

実は、自分たちも「東京オリンピック」に向け勝負をかけていた。

それは、The Cambridge Grammar of the English Language (CGEL)の翻訳を東京オリンピックまでに全巻刊行という戦いだ。
(The adventures of Sukelock Holmes (CGEL)も参照:http://tanaka0871.naganoblog.jp/e2433895.html

このプロジェクトに参加させてもらい第4巻を訳したが、無事、東京オリンピックまでに全巻の翻訳が刊行された。

The adventures of Sukelock Holmes (complete CGEL)

21世紀最大の英文法書といわれるだけのことはあり、「すべてを網羅」していると言っても過言ではない。
(サイズも規格外で総ページ数1800ページ超え)。

たとえば、普通の文法書ではサラっと扱われる接続詞や句読点についてもがっつり扱われていて、翻訳本(『英文法大事典』第8巻)で300ページほどある。

今回はandをとりあげてみよう。

andは「順接」といわれ、「何かと何かを対等につなぐ」働きをする。
(『英文法キャラ図鑑』 関正生 著より)

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andは「そして」と訳されるが、「そして」と訳せないandもある

ここでは、英文法大事典から and の2つの用法を紹介する。

① If(条件)を表すand

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とくに、「命令文 and ~」のときに、andがifのような意味を表す。

この「命令文 and 命令文」は「公式」のように扱われることが多いのは、andがifを表す「特別感」があるからだろう。
(『徹底例解 ロイヤル英文法』より)

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② but(逆接)を表すand

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これらの例では、andは「順接」という基本的な意味を放棄し、もはやbutのようになっている

andとbutの境目は意外とグレーなのである。

The adventures of Sukelock Holmes (complete CGEL)

この英文法大事典シリーズの完成はゴールではなく、ことばの新たな探求への始まりなのである。

カッコよくまとめたが、要は「番宣(本の宣伝)」であった・・・
(「ワンチーム」になってオリンピックを目指すアスリートのように頑張って完成させたので、是非、全国の図書館に入れてほしい!)

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****「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」 ****

アメリカの大学院で修士号を取った卒業生が、一時帰国で遊びに来てくれた。

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学生のころからすでに大学院生のような雰囲気を醸し出していたため、「ベテラン」という愛称がついていた学生だ。
これからまたアメリカに戻り、博士号を取得するとのことであったが、すでに博士号を取得しているかのような風格を漂わせていた。

そんな「ベテラン」も、「逆接」のandには手を焼いていたようで、以前、こんな ↓ ラインをもらっていた。

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今では「感覚」で分かるようになっているが、説明はできないとのこと。

わかるが説明できない」-これを「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」という。

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ことばはミステリアスで面白い。

なお、逆接のandの補足資料は、こちら ↓

https://note.com/yuusyoo174/n/n8d30f566c810

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コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

The only promise a puzzle makes is an answer.

誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

There's nothing more hazardous to my health than boredom.