The hound of the books & movies (mod. proverb)

2. Modernized proverbs

こんなことわざがある。

冗談とフンドシはまたにしろ

なぞかけ的な、おやじギャグ的なことわざである。

「冗談はまたにしろ(=もうやめてくれ)」
「フンドシは股(また)にしろ(=股につけろ)」

ここで、1つの疑問が起こる。

今の子どもたちに「フンドシ」が分かるのだろうか?
子どもだけでなく、今の若い人たちは「フンドシ」を知っているのだろうか?

もし、「フンドシ」を知らなければ、上のことわざは「意味不明」となる。

ことわざはある意味、「先人たちの知恵」である。
であるがゆえに、昔は問題なく通じていたことわざが、今となってはほとんど通じないということはよくある。
今回はここに目をつけた本を紹介する。

『勝手に現代風にアレンジしたことわざ辞典』である。

The hound of the books & movies (mod. proverb)


現代風だけあって、「あー、わかる、わかる!」ってなる。

ちなみに、自分のお気に入りはこれだ。

The hound of the books & movies (mod. proverb)


「李下に冠を正さず」の現代版であるが、確かにコンビニにフルフェイスのヘルメットで入ったら、「通報してください」と言ってるのと同じだ。

The hound of the books & movies (mod. proverb)

一方、「李下に冠を正さず」のほうは、国語の時間に漢文でも習わない限り、何のことか意味不明であろう(最近は「グーグル先生」に聞けばなんでも分かるのだろうが)。

ちなみに、携帯関係のことわざがやはり多いので、自分が選ぶ「携帯ことわざ」トップ3を紹介しよう。本来のことわざは何かを当ててみてほしい(テレビ番組的に3位から発表)

3.スマホに水 [ヒント:スマホが水没したら…]

2.人に聞いてもネット検索 [ヒント:今は人に聞かずにネット検索かも…]

1.携帯隠してツイート隠さず [ヒント:文字でつぶやくということは…]

答えと解説はこちら ↓

https://drive.google.com/file/d/1kDvWv7sYbOuOeoZcZ1wmEwwENl5lYfM3/view?usp=sharing

 そもそも、なぜ「ことわざ」なんかあるのだろうか?

「コンビニにフルフェイス」も「李下に冠を正さず」も言いたいことは、「誤解を招くような行動はするな」ということである。

だったら、ダイレクトにそう伝えたほうが、誤解も生じることなく、相手に理解されるはずだ。

なぜ、ダイレクトに言えることに対して、わざわざ「ことわざ」なんかが存在するのだろうか?

その答えは「丁寧さ(politeness)」にある。

「ことわざ」というのは「教訓」である。
先ほどの「コンビニにフルフェイス」も「~のようなことはするな」という「教訓」を述べている。

「教訓」というのは「~すべきだ/~すべきではない」という相手への忠告を表すが、ダイレクトに「~しろ/~するな」というと、相手に反感を買うだろう。
でも、「ことわざ」を使うことで、やんわりと相手を諭すことができる

たとえば、「誤解を招くようなことはするな!」って言われるとムッとする。
でも、「それは、「コンビニにフルフェイス」だぞ!」 っていわれると、具体例を示されているだけなので、忠告という感じがしない。しかも、具体的な状況が映像として浮かぶだけに、「なんてバカなことをしてるんだ!」と、ハッと我に返りそうだ。

つまり、「ことわざ」を用いると、相手にダイレクトに忠告するのを避け、具体例を示しながらやんわりと助言することができる。

ということで、今回の仮説はこれ ↓ だ。

The hound of the books & movies (mod. proverb)

コミュニケーションは「正論よりも共感」が大事ということだろう。

“People don’t care how much you know until they know how much you care.”
[英語の格言]
(知識よりもまず気配り(=人々はあなたがどれだけ気を遣っているかを知るまで、あなたがどれだけ知っているかを気にしない)

(to be continued)

******「現代風アレンジことわざ」募集 **********

興味があれば、「コメント」に気楽に送ってください。

自分の作品: おばあちゃんから line [人は見かけによらぬもの]

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我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

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誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

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