2. hand first, foot final

ロペ問題: なぜ、「手を染める」のに、「足を洗う」のか?




この問題を解くカギは「手」と「足」が何を表しているのかにある。

まず、「手始めに」という言い方があるように、手は「開始」を表すといえる。

手を付ける/手を下す = 何かを始める

これに対して、足は「終わり」を表すといえる。

たとえば、「足が出る」は予算以上の出費で赤字になることを表すが、これを言い換えれば、予算のMAX (限界点)越え=終点越えである。
その終点こそが足であり、足が出る=終点から出ることになる。

足がつく = 証拠 (すでに終わったことの痕跡)が見つかる

つまり、手はstartで足はgoalを表す。

さらに、「染める」は「色が変わる」という変化=「始まったぞ!」ということを表す比喩になっている。
(「手を汚す」ともいうし、始まりには何かと色をつけたがるのである)。

そうすると、終わりの際には「きれいに」しないといけないので、まさに「洗う」のである。
「洗う」ことは「無くなる」=「終わった」ことの比喩になっている。

つまりは、こんな感じ。




このように、空間的な位置関係を手(start)と足 (end)を使って表している。
さらに「開始」を「染める(変化)」、「終了」を「洗う(完了)」で表しているため、「手を染め、足を洗う」なのである。

しかし、これで話は終わりではない。

シャーロックは次のように言っている。

“I never guess. It is a shocking habit - destructive to the logical faculty.”
(僕は憶測でものをいわないことにしている。それはとんでもない悪習で、論理的な思考力を破壊することになる。)

次に大事なことは、今回の考察に「反例」はないかということだ。

人体で譬えるなら、「頭」や「首」がstartを表してもいいのではないか?

「首を突っ込む」・・・

また、足を使った表現でも、何かを始めるという意味を出せないのか?

「足を入れる」・・・

もう少し考察を深める必要がありそうだ。

(to be continued)


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スケロック・ホームズ
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コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

The only promise a puzzle makes is an answer.

誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

There's nothing more hazardous to my health than boredom.