The valley of ear (ch. 19)

<母音の三角形>

The valley of ear (ch. 19)

(母音の三角形については、The valley of ear (ch. 9) を参照)



19. Rhapsody (On the Way to Ainor)

英語の複数形には「しっぽ」タイプと「お腹」タイプがある。
(『語源でわかる中学英語』原島広至 著 より)

The valley of ear (ch. 19)

「しっぽ」タイプは、単語の後ろに –sをつける
(上の例のox (オス牛)のように- enがつくパターンもある。)

「お腹」タイプは、単語の途中にある母音を変える。

-sをつける「しっぽ」タイプが規則変化で、母音を変える「お腹」タイプは不規則変化と言われている.
しかし、昔の英語では母音を変える「お腹」タイプはよく使われていたパターンである。

The valley of ear (ch. 19)


このような母音を変える「母音交替」の複数形には、規則がある。

それは、「口の前の方で発音する」というものである。

man – men  tooth –teethの例でみてみよう。

The valley of ear (ch. 19)

上の図にあるように、複数形になると、口の前にある i や e になりやすい

複数形がどっちかわからなくなったときは、i に近い音の方が複数形と考えればいい。

The valley of ear (ch. 19)


この母音交替は複数形だけでなく、品詞を変える (形容詞 → 名詞など)ときにも使われている

The valley of ear (ch. 19)

口の後ろの方で発音される母音(ウやオ)を前の方で発音される母音(イやエ)に変えることで、語を使い分けているのである。

このように、i や e に母音が変わりやすいのは、日本語でも同じである。

たとえば、「ない」を「ねぇ」といったりする。

The valley of ear (ch. 19)

これは母音融合とよばれ、他にも以下のような例がある。
(母音融合については、The valley of ear (ch. 4) も参照)

The valley of ear (ch. 19)


今回は、母音が変化している空耳を取り上げる (RhapsodyのOn the Way to Ainor)。
The valley of ear (ch. 19)
ここでは、最後の(la)st known townの発音に注目する。

The valley of ear (ch. 19)

The valley of ear (ch. 19)

(同じ位置で発音される音が落ちる現象については、The valley of ear (ch. 17) を参照)

実際に確かめてみたい人はこちら ↓

https://www.amazon.co.jp/clouddrive/share/NhkFuTwnS8DhxbqwKKNlpkyNUiScaGN9zHmkG30nUD9


≪補足映像資料≫

1. 同じく、母音が変化している本家の空耳作品 (Marvin Gayeの「Flyin' High (In The Friendly Sky)」) 。

The valley of ear (ch. 19)

I go のI の部分に注目して聞いてみてほしい。「アイ」の「イ」が落ちて、はっきりと 「アー」 と言っている


(to be continued)

**** <補足コメント> ****

5年ぶりに空耳サークルの部員となった、M原くん (通称「エムバラ」くん) が、積極的に空耳ネタを送ってくれている。

The valley of ear (ch. 19)

相変わらず味のある、いいイラストである(アナログ的なところもいい)。

映像部も再開したので、空耳映像の作成も再開しよう。

映像部に関しては、こちら ↓

https://twitter.com/pb4sdnu18nrwev1/status/1227521312253337602?s=21


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コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

The only promise a puzzle makes is an answer.

誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

There's nothing more hazardous to my health than boredom.