The valley of ear (ch. 16)

<音の脱落(リダクション)と音変化>
・語尾の子音は消えやすい。
・子音が続く場合、音変化が起きやすい。


The valley of ear (ch. 16)
The valley of ear (ch. 16)

(音変化については、The valley of ear (ch. 4) を参照)

<英語は発音とつづりのずれが大きい>

ghotiは理論的に ‘fish’ と読める

The valley of ear (ch. 16)

(この点については、The valley of ear (ch. 15) を参照)


16. ABBA (Dancing Queen)

英語では、発音と綴りが合っていないことが多い理由の1つとして、「読まない文字」があることがあげられる。

たとえば、hは読まれないことが多い。
これは、英語のhは「息が漏れる」ような音であって、聞こえづらいからである。

The valley of ear (ch. 16)
The valley of ear (ch. 16)

とくに、フランス語などから「輸入」された単語の場合、hは発音しないことが多い

The valley of ear (ch. 16)

この場合、発音されないけど、hという綴りは「保持」されたままである。
(『英語の不思議再発見』佐久間治 著 より)

The valley of ear (ch. 16)

The valley of ear (ch. 16)

一方、もともと英語固有の単語の場合はhが発音されることが多い

The valley of ear (ch. 16)

このように、フランス語のようなロマンス諸語(ラテン語系)はhを発音しないが、英語のようなゲルマン語派はhを発音する

The valley of ear (ch. 16)

今回は、hの発音に関する空耳を取り上げる (ABBA のDancing Queen)。

The valley of ear (ch. 16)

ここでは、having theの発音に注目する。

The valley of ear (ch. 16)

≪iがeに近い≫

The valley of ear (ch. 16)

≪the は弱く発音される≫

The valley of ear (ch. 16)

ちなみに、上の空耳部分の英語のtimeとlifeは、最後に発音されないマジックeがあるため、
前にある母音のiはともに「アイ」というアルファベット読みになる。
(マジックeについいては、The valley of ear (ch. 15) を参照)

The valley of ear (ch. 16)

実際に確かめてみたい人はこちら ↓

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≪補足映像資料≫

1. 同じくhが現れる本家の空耳作品 (Queenの「Don’t Stop Me Now」) 。
この場合のhavingのhははっきり発音されていることに注目して聞いてみてほしい。

2. 1の空耳の解説。
1の本家の空耳作品 (Queenの「Don’t Stop Me Now」) を分析。これまでの復習も兼ねているのでチェックしてほしい。

The valley of ear (ch. 16)

なお、言語にも「帰化 (naturalization)」があり、フランス語では発音されないhが英語に入ってから読まれるようになることがある。

The valley of ear (ch. 16)

ちなみに、ラグビー日本代表のキャプテン、リーチマイケル選手も帰化する前は、「マイケル・リーチ」という表記であったが、
日本国籍を取得し帰化した後は「リーチマイケル」のように、日本式の「姓、名」の順で表記されている。

The valley of ear (ch. 16)

また、h音の脱落は日本語にも見られる
(『英語のなぞ?101問』森住衛 編著 より)

The valley of ear (ch. 16)

The valley of ear (ch. 16)


(to be continued)


**** <補足コメント> ****

空耳サークルでは、「空耳合宿」なるものをしていた。

合宿といっても、ひたすら洋楽を聞いて空耳を見つけるという地味なものであった。

The valley of ear (ch. 16)

空耳をみつけた人がいると、その空耳をみんなで確認するということを繰り返すだけなので、集まってもほとんど「無言」であった。

なお、「空耳合宿」では英語を日本語だと思って聞いているため、B藤くん(3代目部長)はTOEICのリスニングの点数が下がってしまった。

地味な割には過酷な戦いなのである。
(何のために、何と戦っているかは誰も分からないままであった。)

また、「空耳合宿」をしたいような、したくないような・・・

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コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

The only promise a puzzle makes is an answer.

誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

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