The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)

コンサルタント言語探偵 (自称)という職業柄、多くの本に囲まれている。
その種類も雑多である。

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)


読んでいるというより、「対話」している感覚である。

そこから多くの興味深い資料やアイデアを得ている。

このThe memoranda of Sukelock Holmesの章では、それらを紹介していく。
まだ「覚書」程度ではあるが、それらをもとに考察したこともメモ的に述べていく。

新たな「令和」という元号とともに、本章を開始する。


1. The ABCs of friendship

友達って何だろう?

この問いにアルファベットを用いて答えているのが、「友だちのABC」である。アルファベット順に友だちについて述べている。

A~Dまで見てみよう。
主語はA friend(友だちというのは)であり、それに続く動詞がアルファベット順になっている。)

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)


これだけでもうまいなぁと思うが、訳もちゃんとアルファベットに対応させている。

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)



日本語をローマ字にしてみれば、その対応関係がよりはっきりする。

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)


E以降はどんな英文になっていて、対応する訳はどうなっているかを考えてみてほしい。

ちなみに、Xで始まる英単語はかなり限定されるため、以下のようになっている。

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)


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自分のオリジナルを作ってみるのも面白いだろう。


≪覚え書きメモ≫

今回の「友だちのABC」は主語がa friendであるため、すべての動詞に「3人称単数のs」がついている。

A Friend
Accepts you…
Believes in you…
Calls you…

三人称というのは、要は人のナンバリングだ

自分を1として、相手を2、それ以外を3とする。

英語の現在形は 3 の時に動詞がsをつけて変身する (形を変える)仕組みをもっている

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)


このように、変身することで2つの要素の間のつながりを明確にする仕組みを「一致 (agreement)」という。

この「一致」現象は日本語にもみられるのだが、お分かりだろうか?

それは「ある/いる」交替である。

日本語では、「生き物」には「いる」が使われ、「無生物」には「ある」が使われる。

つまり、日本語の場合は以下の「一致」が成り立つ。

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)


「一致」はいろんな言語にみられる

たとえば、英語ではmy sonのmyはどんな名詞についても形を変えないが、ノルウェー語では「男性」か「女性」かによって形が変わる

The memoranda of Sukelock Holmes (Intro.)


つまり、「男性」か「女性」かの区別で「一致」を起こすのである。

このように、「一致」現象は多くの言語にみられる。
しかし、一致など起こさなくても意味は通じる。He playsでなくHe playでも意味は十分伝わる。

なぜ、言語は一致のような仕組みをもつのだろうか?

「一致」は追求すべきテーマである。

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プロフィール
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スケロック・ホームズ
コンサルタント言語探偵 (自称)

我々が言葉を用いるときに、暗黙のうちに、何らかの規則に従っていることは明らかである。しかし、一体どんな規則に従っているのであろうか?たとえば、
「人の悪口は言わない!」の「人」は「他人」のことである(=「他人」の悪口は言わない!)
「人の悪口を言うな!」の「人」は「自分」のことを指せる(=「俺」の悪口を言うな!)

なぜ、「人」が「他人」も「自分」も指せるのかを説明することは難しいが、日本人ならいとも簡単に使える。

規則をはっきり意識できない、説明できないのに使える。

ここに「ヴィトゲンシュタインのパラドックス」が存在する。

言語は面白い。そのなぞ解きはさらに面白い。

The only promise a puzzle makes is an answer.

誰に頼まれることがなくても、言語の謎を解明し続けるが、依頼はいつでも受け付けている。

There's nothing more hazardous to my health than boredom.