The hound of the books & movies (New Units)

スケロック・ホームズ

2019年05月13日 20:40

8. The latest units of the world

世の中にはいろんな「単位 」がある。
それらをイラストを使って分かりやすくまとめているのが、以下の本だ。




この本は、単位の「起源」や「成り立ち」まで書いていて、読み物としても面白い。たとえば、こんな ↓ 感じ。



通常、単位はものの大きさや広さや量などを表すために使われ、「暑苦しさ」や「だらしなさ」といった抽象的なものを「測る」ために使われることはない。

今回はここに目をつけた本を紹介する。

『新しい単位』 (世界単位認定協会 編)である。




自分のお気に入りはこれ ↓ だ。




要は「それってradioを「レイディオ」と言うよりも100倍かっこいい」という感じである。

単位の基本は「基準値」を決めることである。
この「基準値」が「最小単位」として「共通認識」され、いろんな「カッコよさ」が測られる




意外に思うかもしれないが、単位には「誤差」があることもよくある。(先ほどの『単位の話』より)




つまり、「基準値」が単位を使う者同士で「共通認識」されていればいいわけである。
また、たとえ「誤差」があっても、ある程度、感覚的に分かるともいえる。

さらに、抽象概念を単位で表すと順序をつけられる

例えば、比較級を使った場合は、基本的に2つものを比べることしかできない 
(例:Mary is clever than Bill. (メアリーはビルよりも賢い))。

しかし、「単位」を使えば複数のものを比較できる





ということで、今回の仮説はこれ ↓ だ。




ちなみに、今回の「新しい単位」は言葉の「定義」を考える上でも「参考」になる。

たとえば、「遊び (ゲーム)」という言葉の定義を考えてみると、どの「遊び」にも当てはまる「共通性」はないことがわかる。
(『哲学用語図鑑』より)。




このため、ヴィトゲンシュタインは言葉は緩やかな「関係性」で捉えられるとしている。
これを「家族的類似」という。





同じように、「カッコよさ」に関しても、「radio (レイディオ)の発音」という基準がいろんな「カッコよさ」を緩く結びつけるといえる。

「単位」と「言語」の類似性を考えるのも面白い。


(to be continued)


****補足:「立岡文庫」 ****

自分が住んでいる通称N館の自称ベーカーストリートの近くによく利用する店に、通称「立岡文庫」とよばれるお気に入りの書籍コーナーがあった。
(ベーカーストリートN230についてはThe case study of Sukelock Holmes (Intro.)を参照)

ともかく「変わった」本が多く、「たっつん」とよばれる店員の趣味丸出しのコーナーであった。




「猫」「コーヒー」「死」そして「みうらじゅん」の本がよく置いてあった。

3月にたっつんが職場をやめたために、残念ながら「閉鎖」となってしまった。ちなみに、今回あげた『単位の話』『哲学用語図鑑』は「立岡文庫」で購入したものだ。自分の研究室にはまだまだ「立岡文庫」で購入した本が多くある。機会があれば、紹介していく。

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