6. Synonym
次の英文はあるものを表している。分かるだろうか?
May I have a large container of coffee?
「コーヒーを大きな器で1杯飲んでもいい?」と聞いているが、意味自体に意味はない。
この有名な「コーヒー文」が何を表しているかは、単語の文字数をみればわかる。
Mayは3文字で、Iは1文字、haveは4文字・・・とやっていくと、
もう、お分かりだろう。
これは「円周率」を表している。
3.1415926…
この「コーヒー文」は英語流の「円周率の覚え方」なのである。
よく、こんなやり方で覚えられるなと思うが、このように文章で覚えるのが普通のようだ。
これは、「
英語は単語の独立性が強い」ことと関係しているといえる。
上のコーヒー文を日本語の訳と並べてみると、次のようになる。
May I have a large container of coffee?
コーヒーを大きな器で1杯飲んでもいい?
英語の場合、単語と単語の間にスペースが入り、それぞれが「独立」しているのが明確である。これに対して、日本語は「てにをは」を使って単語と単語をくっつけているので、切れ目がなく一続きである。
この英語の
単語の独立性の強さは類義語の多さと関係していると思われる。
今回は英語の類義語を視覚的に示した本を紹介する。
『似ている英語』である。
いくつか例をあげる。
これらの類義語の特徴は単語に「
付加情報」が含まれていることである。
たとえば、clockとwatchの場合、どちらも「時計」であるが「置く」のか「身に着ける」のかというプラスαの情報が異なる。
このように、clockやwatchは同じ「時計」でありながら、この付加情報まで含んでいる。そして、この付加情報こそがclockとwatchがそれぞれ独立した単語であることの「証」なのである。
ここでのポイントは類語語がもつ付加情報は単語の中に含まれる、いわば「暗黙の前提」であるということである。つまり、はっきり述べられないため、そのような付加情報を知らないと類義語の区別ができない。
ということで、今回の仮説はこれ ↓ だ。
言い換えれば、そのような付加情報まで知って、初めて単語を知っていることになる。
今回は名詞を中心に見たが、動詞の類義語には規則性が見られる。
この場合、「笑う」という
動作(Act)は共通しているが、「どのように」という
様態(Manner)が違う。
つまり、
「様態」が変数xであり、そこに何が入るかで動詞が決まる。
x (様態) + 笑う (動作)
x = 声を出して → laugh / x = にっこり → smile
動詞の類義語の場合、この「方程式」が成り立つ
この「類義語」は奥が深い。改めて、じっくり取り組む必要がある。
(to be continued)
****「英語の暗記方法」 ****
ネットで調べてみると、今回、紹介した「コーヒー文」よりもさらにレベルアップした文が載っていた。
May I tell a story purposing to render clear the ratio circular perimeter breadth, revealing one of the problems most famous in modern days, and the greatest man of science anciently known?
(円周と円の幅(直径)の比を明らかにする話をさせてください。この話により、現在もっとも有名な問題の1つが明らかになり、また、古代に知られたもっとも偉大な科学者も浮き彫りになります。)
上の英文は3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 5を表している。
このように、英語では文を使って暗記する方法がメジャーである。逆に覚えづらい気もするが、これも英語の単語の独立性の強さからきているのだろう。
ちなみに、以下の文は何を表しているか、分かるだろうか?
His heels like better business. Cause Nothing of Fun Never Napping Makes Al's Sillies Put Sugar Clear Around Kansas Cats
(彼のかかとはもっといい仕事が好きなんだ。なぜかといえば、昼寝をしないなんてつまらないことが原因で、アルの愚かさから、カンサスの猫のまわりから砂糖を片付けてしまったのさ。)
答えは、こちら ↓
https://allabout.co.jp/gm/gc/59430/3/