The valley of ear (ch. 19)

スケロック・ホームズ

2020年03月11日 12:47

<母音の三角形>



(母音の三角形については、The valley of ear (ch. 9) を参照)



19. Rhapsody (On the Way to Ainor)

英語の複数形には「しっぽ」タイプと「お腹」タイプがある。
(『語源でわかる中学英語』原島広至 著 より)



「しっぽ」タイプは、単語の後ろに –sをつける
(上の例のox (オス牛)のように- enがつくパターンもある。)

「お腹」タイプは、単語の途中にある母音を変える。

-sをつける「しっぽ」タイプが規則変化で、母音を変える「お腹」タイプは不規則変化と言われている.
しかし、昔の英語では母音を変える「お腹」タイプはよく使われていたパターンである。




このような母音を変える「母音交替」の複数形には、規則がある。

それは、「口の前の方で発音する」というものである。

man – men  tooth –teethの例でみてみよう。



上の図にあるように、複数形になると、口の前にある i や e になりやすい

複数形がどっちかわからなくなったときは、i に近い音の方が複数形と考えればいい。




この母音交替は複数形だけでなく、品詞を変える (形容詞 → 名詞など)ときにも使われている



口の後ろの方で発音される母音(ウやオ)を前の方で発音される母音(イやエ)に変えることで、語を使い分けているのである。

このように、i や e に母音が変わりやすいのは、日本語でも同じである。

たとえば、「ない」を「ねぇ」といったりする。



これは母音融合とよばれ、他にも以下のような例がある。
(母音融合については、The valley of ear (ch. 4) も参照)




今回は、母音が変化している空耳を取り上げる (RhapsodyのOn the Way to Ainor)。

ここでは、最後の(la)st known townの発音に注目する。





(同じ位置で発音される音が落ちる現象については、The valley of ear (ch. 17) を参照)

実際に確かめてみたい人はこちら ↓

https://www.amazon.co.jp/clouddrive/share/NhkFuTwnS8DhxbqwKKNlpkyNUiScaGN9zHmkG30nUD9


≪補足映像資料≫

1. 同じく、母音が変化している本家の空耳作品 (Marvin Gayeの「Flyin' High (In The Friendly Sky)」) 。



I go のI の部分に注目して聞いてみてほしい。「アイ」の「イ」が落ちて、はっきりと 「アー」 と言っている


(to be continued)

**** <補足コメント> ****

5年ぶりに空耳サークルの部員となった、M原くん (通称「エムバラ」くん) が、積極的に空耳ネタを送ってくれている。



相変わらず味のある、いいイラストである(アナログ的なところもいい)。

映像部も再開したので、空耳映像の作成も再開しよう。

映像部に関しては、こちら ↓

https://twitter.com/pb4sdnu18nrwev1/status/1227521312253337602?s=21


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